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webマガジン「マカロニアンモナイト」月刊特集
マカロニアンモナイト
エンジン点火! リフトオフ! 豪快に宇宙に飛んで行く
『ロケット打ち上げを見に行こう』前編

文・写真/松浦晋也

前編目次1【2】34 2006年9月掲載
[2] 事前の準備を怠るな
誰がどこで打ち上げているのかいつ打ち上げるのかどうやって打ち上げ日を知るのかどこで打ち上げを見るのか


 打ち上げにいこうと思ったら、まずは情報収集だ。

昼間の打ち上げならば、通常の12倍ズームデジカメで、この程度の写真は撮ることができる。オートフォーカス、自動露出のみのカメラの場合は、オートブラケットと連写機能を使って、たった1枚だけを狙うのがコツだ。2003年11月、種子島にて。



しかし、これぐらいの写真がすぐにJAXAのホームページにアップされるのである。(写真提供:JAXA)2006年2月、種子島にて。




その1:誰がどこで打ち上げているのか


 日本のロケットは、独立行政法人の宇宙航空研究開発機構(JAXA:ジャクサ)が、打ち上げている。打ち上げ場所は2ヵ所。まず、鹿児島県の大隅半島の東側、鹿児島県肝属郡肝付町にある内之浦宇宙空間観測所からは、科学観測用の衛星をM-V(ミュー・ファイブ)というロケットで打ち上げている。そして、鹿児島から海を渡った種子島の南東海岸沿い、南種子町の種子島宇宙センターからは、より大型のH-IIA(エイチ・ツー・エー)ロケットを打ち上げている。


内之浦宇宙空間観測所
  →Yahoo!地図情報 - 鹿児島県肝属郡肝付町南方の周辺地図
種子島宇宙センター
  →Yahoo!地図情報 - 鹿児島県熊毛郡南種子町茎永の周辺地図


その2 いつ打ち上げるのか


 日本のロケット打ち上げは、漁業から制限を受けている。ロケットは、使い終わった部分を順に切り離して身軽になり、さらに加速していく。切り離した第1段や、打ち上げるときに一気に加速するためのブースターといった部分は、海上に落ちる。だからあらかじめ海上保安庁から警告が出て、落ちる海域に船舶が立ち入らないようにしている。
 問題は、その海域が漁場でもあることだ。漁船にすれば、打ち上げがあると仕事が上がったりということになる。
 そこで、JAXAと当該地域で創業している各県の漁業協同組合は、協定を結び、打ち上げのシーズンを決めている。
 まず、レギュラーのシーズンがある。夏は7月22日から9月30日の71日間、冬は1月1日から2月28日の59日間だ。また、打ち上げ時期が限られる惑星探査機などのために60日間の別枠の期間も5月〜6月と11月〜12月に設定することができる。
 つまり年間最大で190日間が打ち上げ可能な時期ということになっている。



ロケットはどこまでも上昇すると思っている人は多いが、実際には、空気の層を抜ける高度60kmぐらいからは水平に加速していく。遠ざかるロケットは、水平線へと落ちていくように見える。2002年9月、種子島にて。




どうやって打ち上げ日を知るのか


 打ち上げ予定日時が決まると、JAXAのホームページhttp://www.jaxa.jp/)で発表される。同時に新聞やテレビなどでもニュースになるので、いつも注意深くアンテナを張っておくことが重要だ。
 ここで注意する必要があるのは、打ち上げの時刻だ。
 打ち上げの日は天候や機材トラブルでずれることがある。しかし、打ち上げ時刻は衛星を打ち上げる軌道で決まるので、そんなに大きくは変化しない。
 なによりも軌道が優先なので、打ち上げ時刻が人間の活動する時間帯にあたるとは限らない。極端な早朝や深夜ということもあり得る。となると、移動日や見学場所への移動手段にも影響が出てくる。
 見に行くにあたっては、日付だけでなく、打ち上げ時刻にも注意しておこう。
 また、特に種子島の場合、離島ということもあって、交通機関の確保が困難な場合がある。都合の良い時刻の航空便が満席で予約を取れないということがあり得るのだ。
 現地までの交通機関を確保するためには、なるべく早く打ち上げ予定日を知りたいところ。そこで、打ち上げを愛好するマニアの間では、公式発表の前に打ち上げ日を推定するための様々な手法が開発されている。このあたりは次回述べることにしよう。


報道取材で現地に入り込むと、こういった事前の打ち上げ準備の写真を撮影することもできるが、残念ながら一般の人には公開されていない。2001年8月、種子島にて。




どこで打ち上げを見るのか


 JAXAは、内之浦、種子島の両方とも、打ち上げを見学できる公式の見学場所を用意している。カウントダウンも放送されるので、臨場感のある打ち上げを楽しむことができるだろう。
 ただし、これら公式の見学場所はかなり混む。事前に十分な時間的余裕を見て移動したほうが良い。写真撮影がしたければ、三脚を立てる場所が先着順ということになる。特に、内之浦の見学場所は比較的狭いので、お互いに譲り合う精神が重要だ。はるばる打ち上げを見学にやってきて、不愉快な目に会うのはお互い避けたい。
 もちろん、水、食事などは必要に応じて持参すべき。トイレはあるものの数が限られるので、相応の覚悟と用意は必要だ。

 内之浦は地形が険しく、狭いので公式の場所以外ではほとんど打ち上げを見学する場所はない。
 一方、種子島には公式の見学場所の他に、いくつか公にはなっていない穴場が確かに存在する。
 ただし、そのような場所は、カウントダウンの放送がないので、今、何をやっているのかを把握しにくい。基本的には何度も打ち上げに通って慣れてきた人向きである。また、そういったところでは地元の人が打ち上げを見ているものだ。現地の状況も分からぬままに、ロケット見たさの一心で行動し、結果として地元に迷惑をかけてしまうようなことがないようにしよう。
 何回か打ち上げに通って、定宿が出来た段階で宿の人に場所を聞いてみるというのも一つの方法だろう。






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マカロニアンモナイト月刊特集「ロケット打ち上げを見に行こう・前編」
前編目次1【2】34 2006年9月掲載


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