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webマガジン「マカロニアンモナイト」月刊特集
マカロニアンモナイト
エンジン点火! リフトオフ! 豪快に宇宙に飛んで行く
『ロケット打ち上げを見に行こう』前編

文・写真/松浦晋也

前編目次123【4】後編・種子島宇宙センター編へ 2006年9月掲載
[4] ロケットの写真を撮りたい
露出もピントもマニュアル必須撮影のねらい所はまだある


種子島の一般見学席から撮影した画像。やはり、画面にもやがかかるのはやむを得ないところ。2006年2月、種子島にて。



 せっかく行ったからには、ロケットの打ち上がるところを写真に撮りたいと思うのが人情だろう。
 しかし、ここでは声を大にして言いたい。


「ロケットを撮るよりも、ロケットを体験しましょう」

 「マカロニ・アンモナイト」に相応しくない話ではあるが、でも事実だ。
 そもそも、ロケットの打ち上げは、写真にはとても写らないものを見に行くということだ。そこで写真撮影に気を取られてしまうというのは本末転倒である。
 打ち上げの写真は、すぐにJAXAのホームページにアップされる。それと似たり寄ったりの写真を自分で撮るよりも、打ち上げそのものを自分の記憶に焼き付けることのほうがずっと大切だ。
 あなたが初めて打ち上げを見に行くならば、双眼鏡を持って、打ち上げを全感覚で体験してもらいたい。目だけではなく、耳で、皮膚で、人間が実現したこの途轍もない事業をすべて体感してほしい。

 それでも写真を撮りたい。ビデオを撮影したいという人には、置きっぱなしを薦める。三脚にカメラを乗せてロケットに向け、打ち上げ数秒前から連続撮影で、どんどん撮っていくという方法だ。ファインダーはのぞかない。また、昇っていくロケットを追ってカメラを振り回すこともしない。自分はあくまで打ち上げに集中しつつ、写真は枚数撮れば数打ちゃあたるでカメラに任せるのだ。

 そこで問題になるのはピントと露出である。


夜間打ち上げの場合、露出の状況は極端に悪化する。この程度に写ればまあ御の字。2006年2月、内之浦にて。




露出もピントもマニュアル必須


 多分、写真好きの人ならば、望遠のアップで打ち上げの瞬間のロケットを狙いたいと思うだろう。9月23日の鹿児島の日の出は午前6時6分だ。とすると露出は…と考えていると、まず間違いなく失敗する。
 M-Vロケット固体ロケットという種類に分類される。固体ロケットは、推進剤の中に燃焼温度を上げて性能を向上させるためにアルミニウム粉末を混入している。
 アルミ粉末が燃えるということは、ものすごい光を発するということだ。
 ロケット点火の瞬間、非常に強い光が周囲に放射される。だから、露出やピントをオートにしておくと、その光に反応してオートフォーカスは狂うし、自動露出も大きく変化してしまう。真っ暗な写真やピンぼけの写真が出来上がりだ。
 だから、ロケット打ち上げの写真は、露出も絶対にマニュアルで撮影しなくてはならない。
 ピントは、打ち上げ前のロケットに合わせておくとして、露出はどうすればいいのだろうか。

 ここで一つ、技を教えておこう。あまりに光が強いので、露出を決めるにあたっては外光を気にする必要は一切ない。

「ピーカンの昼間の露出から1〜2絞り絞る」

 これでOKである。ISO100の感度で撮影するならば、F8、1/500ぐらいで撮影すれば、間違いはない。



それがいざ打ち上げになると、これだけの光を発して昇っていく。露出を間違えると悲惨なことになる。2006年2月、内之浦。(写真:JAXA提供)




撮影のねらい所はまだある


 望遠によるアップの他、広角でどんどん飛んでいくロケットの軌跡を周囲の風景と共に撮影したいと思う人もいるだろう。この場合は、ロケットの発する光を気にする必要はない。昼間ならば自動露出で十分いける。今回は夜明け直後なので、自動露出をマイナス1〜2ぐらいのアンダーにして撮影すれば、それなりの写真になるはずだ。

 その他、M-Vの場合、第1段の切り離しを地上から見ることができる。打ち上げ計画書を見ると、打ち上げ後75秒で、第1段が分離される。分離した1段は、煙を吐きながら落ちていくのが見えるはずだ。この瞬間を超望遠レンズで狙うのも面白いかも知れない。
 ただし、この撮影を筆者はやったことがない。だから露出についてはアドバイスできない。多分ピントは無限遠でマニュアル。露出はオートで撮影できると思う。

<参考リンク>
→JAXA>プレスリリース>2006/07> M-Vロケット7号機(SOLAR-B)実験計画

昼間の打ち上げだと、こんな感じの写真となる。固体ロケットは非常に明るいものだと覚えておこう。2003年5月、内之浦にて。





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マカロニアンモナイト月刊特集「ロケット打ち上げを見に行こう・前編」
前編目次123【4】 2006年9月掲載


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