『私のお気に入り』
他人に見せたいけど見せたくない。教えたいけど内緒にしたい。誰もがひとつは持っているそんなお宝、マカロニ・アンモナイト筆者と編集部員の『私のお気に入り』を大公開! 
さて、あの人のお宝は?


中山慶太の『私のお気に入り』

 好きな画家はたくさんいるけれど、アンドリュー・ワイエスは僕にとって特別な存在だ。透明感あふれるこの作家の世界を知るきっかけを与えてくれたのは、もう十年も前に神田神保町の洋書店で何気なく手に取った本だった。『ヘルガ・ピクチャーズ』と題されたその画集の頁を繰ると、そこには観るものをもうひとつの世界へと誘う窓があった。鉛筆と水彩とテンペラ、そしてドライブラシを駆使した一連の作品は確かなテクニックに裏打ちされ、しかもみずみずしい詩情と絵心にあふれている。どの絵も素敵だけど、冬のテラスにたたずむ女性(ヘルガ)を描いた『イースター・サンデー』がいちばん好きかな。映画も音楽もワインも、アメリカの文化と風土にはさほど惹かれないのに、ワイエスの絵が観れるならニューヨークに行っても良いかと思う。同じ出版社からの近刊も、この作家のスタイルの変遷を伝えて魅力的だ。印刷技術も素晴らしく(それぞれドイツと日本で刷っている)、出版社の良心を感じる。写真右がAndrew Wyeth『The Helga Pictures』、左が『Unkown Terrain』。どちらも米国Abrams社刊。ワイエス家は三代続く絵描きの家系で、一族の作品を収めた画集『Womdrous Strange』も最近上梓された。
(1999年1月更新)

 

 
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