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* 週刊フォトエッセイ*

週休六日のススメ

  文・写真/福山庸治 --->Back Number 




129 嫁姑マンガ

 マンガには、ありとあらゆるジャンルがあるようで、先日TVのワイドショーで、嫁姑の問題を扱った、いわば「嫁姑マンガ」専門誌が10万部以上売れているという。しかも、定期刊だったりする。

 知らなかった。
 つれあいに訊けば、もう何年も前から確立されたジャンルだという。
 考えてみれば、他人同士である嫁姑が互いに“愛する”一人の男を媒介にして生活を共にした場合、それ自体が既に三角関係である。しかも、媒介であるはずの男は、通常勤めに出ていて、ウィークデイにはほとんど家にいない。つまり、ウィークデイの家庭は、嫁と姑とが直接対決を余儀なくされる空間であり、当然そこに心理的葛藤が発生する可能性は高く、そのどろどろをマンガ流に誇張して描けば、そのままサイコ・サスペンスとなるわけである。

 なるほどと思った。
 浜の真砂は尽きるとも、世に嫁姑の絶えたためしはなく、この「嫁姑マンガ」というのは、実に豊富な読者予備軍を抱えたジャンルではある。
 僕はわざわざ読みたいとは思わないが、一度だけなら描いても面白いかもしれないと思った。とはいっても、“専門誌”に載っているような半リアルなマンガは、僕にはどう逆立ちしたところで描けそうもない。興味惹かれるのは、「嫁姑問題」という永遠不滅の構造や骨格なので、僕が描くものは、その構造や骨格自体が、何か別のものに置き換わっていくような、わけのわからないシュールな話になってしまいそうだ。当然、10万もの「嫁姑マンガ」ファンは逃げていく。


2002年04月03日掲載

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