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* 週刊フォトエッセイ*

週休六日のススメ

  文・写真/福山庸治 --->Back Number 




134 僕が講師になった理由

 さて、僕が専門学校の非常勤講師を引き受けたのは、「就職」目的でもなければ、「大学教授」への道を目指したからでもない。珍しいことに、今の僕は仕事に困ってはいない。むしろ、自分の作品を描くのに精一杯で、人に教えている暇など本当はないと言っていい。タイトルの「週休六日」は、今や看板に偽り有りの状態だ。
 だったら、どうして引き受けたのか?

 言うならば、ちょっとした好奇心ということになろうか。
 通勤するという好奇心、マンガを人に教えるという好奇心、親子ほど歳の離れた学生たちと、日中一緒に過ごさなければならぬことへの好奇心、美しい女子学生が自分に熱い視線を送ってくるかもしれないという好奇心、その場合、自分ならどう行動するかということへの好奇心、「君はまだ若い、僕のようなオヤジに惚れるべきではない」と分別くさく諭してしまうであろう自分に、意外な偽善性を感じてしまうかもしれないことへの好奇心、結局その女子学生と道ならぬ関係に陥ってしまい、社会的制裁を受けてしまうことへの好奇心、そうした諸々の中で、自分が人生というものを、どういうふうに哲学するであろうかという好奇心……

 といった妄想はともかく、新規の行動にはストレスが伴う。そのストレスを、とりあえず丸ごと楽しんでみようじゃないかというのが、今回、僕が講師を引き受けた最大の理由である。


2002年05月08日掲載

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