* 週刊フォトエッセイ*

週休六日のススメ

  文・写真/福山庸治 --->Back Number


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143 “人間”じゃない?

 もう十年くらい前になろうか、イタリア人のマンガ家で、自らも小さな出版社を主催している方とお会いしたことがある。彼の出版社が、僕の作品をイタリアで出版したいということでお会いしたもので、その時には、通訳としてフランス人の編集者も同席していたが、その後、その話はいっこうに進展しないまま今日に至っている。海外の出版社が相手の場合、こうした経過を辿ることが少なくなく、最近では話が来ても、世界の思いも寄らぬ人々が、たまたま僕の作品を読んでくれていることの奇妙な感覚を楽しむにとどめ、実現化そのものについては一歩距離を置くようになった。ヒトは学習する動物なのである。

「やっと人間に会えた」

 そのイタリア人マンガ家が、開口一番そう言った。
「やっと人間に会えた」とは?
 いきなりの話で、僕には何のことかわからない。「人間」であって、「猿」でも「豚」でもないのだから、たぶん悪い意味ではないのだろう。しかし、「やっと人間に会えた」とはどういう意味であろう? 会う日本人会う日本人、ことごとく非人間的だったのだろうか?


2002年07月17日掲載

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