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* 週刊フォトエッセイ*

週休六日のススメ

  文・写真/福山庸治 --->Back Number 




147 出版界も供給過多?

 今の日本経済が陥っているデフレ状況は、供給過多によるものと言われている。消費者は、もう間に合ってるから、そんなには要らないよと言ってるのに、作ったり売ったりしなきゃ食べていけない人が、国内にも海外にもわんさといて、そのバランスが崩れてしまっているわけだ。

 僕のような生産型の人間が多いからデフレになるのだと言われそうだが、それは違う。本業に関する限り、自慢じゃないが、僕は明らかに供給不足派のマンガ家である。なので、インフレを助長することはあっても、デフレに荷担することはないはずだ。事実、読者には申し訳ないが、僕の著書は、新刊でも古書市場でも、単価が上がるばかりで下がることはない。たぶん。

 そもそも、書店はどこも新刊の洪水である。
 そんなに読めないよと言っているのに、書いたり売ったりしなきゃ食べていけない人が、国内にも海外にも(特に国内に)わんさといるのである。漫画賞などのパーティに行くと、こんなに大勢のマンガ家がどこに潜んでいたのかと驚いてしまう。このマンガ家たちが月に一本でも作品を描けば、そりゃ出版洪水になろうというものである。

 この状況は、僕の目には、どう見ても供給過多に映ってしまう。だが、さて、どの本とどの本がその過多の部分かとなると、「この本」とは断言しにくいところがある。本には、たで食う虫も好き好きというところがあるし、再販制度のお陰で、どれも正価のまま売られているからだ。もしこの正価販売という制度が撤廃ということになれば、当然価格破壊が起こって、供給過多のものがハッキリとするかもしれない。ただ、超特価80%OFFといった値の付いた本が、必ずしもつまらない本とは言い切れないところが、出版物という商品の持つ特殊な面であろうか。

 ということで、僕は需要と供給のバランスを考え、デフレスパイラルに陥らないように、少量生産を原則とする生産量の調整を計画的に行っているのである。(ウソである)


2002年08月21日掲載

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