写真
---> 拡大表示



* 週刊フォトエッセイ*

週休六日のススメ

  文・写真/福山庸治 --->Back Number 




148 バジルとデフレの因果関係

 本業では、インフレを推進する僕だが、本業以外となると、どうなのだろう?

 この春先、庭にブルーベリーの苗を何本か植えたが、おそらく、来年あたりからたくさん採れるようになるだろう。生のブルーベリーは、買えば高い。ケーキやゼリーに載っかると、更に価値を増す。その高級果実が、庭でただで採れるようになるのである。
 バジルの葉や大葉シソにしてもそうだ。生のバジリコソースを作ろうと思ったら、スーパーで何百円分買っても、まだ足りないかもしれない。あるいは安価な大葉シソでも、我が家のようにふんだんに食べてたら、バカにならない出費になるだろう。そんなようなものが、僕の庭には雑草のように生い茂っているのだ。

 つまり、その分の我が家の消費支出は、僕の財布にとどまったままで、生産者や小売業者には落ちないのである。となると、ミクロの単位とはいえ、理屈の上からは、需要不足を引き起こしていることになる。家のメンテナンスや、ちょっとした家具を作ったりするのも、大工さんの数を減らしているかもしれないし、髪の毛をチョンマゲにすることで、床屋に行く手間を省いたことも、理容師さんが得られるはずの収入チャンスを確実に奪っている。

 更には、畑を耕したり、ノコギリを挽いたり、梅干しを作ったりする時間が増えれば増えるほど、僕は本業から離れていることになるので、必然的に生産量は落ちるし、収入も少なくなる。収入が少なくなれば、買えるものが限られてくるので、財布の紐が固くなる。すると、需要が不足し、供給過多を生み、モノの値段が下がる。

 ということは、僕が本業をもっとまじめに沢山やれば、この日本経済の深刻なデフレ化を阻止し、インフレ化へもっていけるということか?


2002年08月28日掲載

<--Back     Next-->



Webmaster :
ammo@tokyo.fujifilm.co.jp
Copyright :
マカロニ・アンモナイト編集部