写真
---> 拡大表示



* 週刊フォトエッセイ*

週休六日のススメ

  文・写真/福山庸治 --->Back Number 




159 右脳と左脳のコラボレーション

 その相反する「右脳」的なものと「左脳」的なものが激しく葛藤しつつも、うまく合体した場合に、マンガは小説でも映画でもない、まして絵画やイラストとも違った、他のメディアでは到底表現し得ない傑作になる場合がある。そのマンガならではの傑作には、ノーベル賞を与えてもいいくらいに僕は思っているが、残念ながら、同賞にマンガ部門が新設されるという噂は、未だかつて一度も耳にしたことはない。

 ノーベル賞はともかくとして、僕が絵画でもイラストでも小説でもなく、結局マンガを描き続けるのには、外的にも内的にも色んな理由があるが、一つに、マンガという表現形式が、あまりにも雑多な能力を僕に要求するために、それが面白く、他のメディアに対しては、興味はあるけれど、なんとなく物足りなさを感じてしまう、ということがあるかもしれない。
 もし小説を書くことになったとすれば、ヴィジュアルな部分を絵で表現できないことにもどかしさを感じてしまうだろうし、絵画やイラストだけを描いていると、ストーリーや台詞を直截語れないことのフラストレーションが溜まってしまいそうだ。
 僕の考えるマンガに一番近いものは演劇や映画だと思うが、これらは他人の才能に委ねる部分が多すぎるため、自分の存在する意味がどんどん希薄になるようで、これはこれで妙に不安が募ってくる。

 結局、独りだらだら、マンガを描くことが、一番性に合っているのであろう。


2002年11月20日掲載

<--Back     Next-->



Webmaster :
ammo@tokyo.fujifilm.co.jp
Copyright :
マカロニ・アンモナイト編集部