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* 週刊フォトエッセイ*

週休六日のススメ

  文・写真/福山庸治 --->Back Number 




162 36年目の卒業式 〜ビートルズと僕〜(2)

 その卒業したはずのビートルズだが、どうも卒業式に出席した記憶もなければ、卒業証書も見あたらない。いや、そんなものがあるはずはないのだが、二日ほど前に、TVでポール・マッカートニーの来日公演のニュースが流れ、彼がビートルズ初期の名曲「All My Loving」を歌う姿を見た瞬間、そんなような不安な気持ちに襲われてしまった。

 ビートルズが最初にして最後の来日をしたのは、1966年6月で、僕は九州の片田舎に住む高校生だった。九州から一度も出たことのない少年にとって、東京など外国のように遠いところで、ビートルズが来日したといっても、自分の住む同じ島に来ている実感など全くなかった。まして、公演を観に行くことなど、鼻っから考えられないことであった。
 だが、ビートルズは確かに日本に来ていて、公演を行っていた。僕は、それをモノクロのTVで観ながら、いつか、ビートルズを生で観られる日を夢見ていた。

 しかし、少年の夢は永遠の幻と化した。
 1971年、ビートルズが解散したからだ。
 僕は21歳、親の庇護の元から遠く離れ、ビートルズどころではない、自分の将来がどうなるか、まさに人生の岐路に立っていた。


2002年12月11日掲載

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