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* 週刊フォトエッセイ*

週休六日のススメ

  文・写真/福山庸治 --->Back Number 




169 サムゲタン“のようなもの”(1)

 去年の暮れ、自宅で忘年会を開いた。
 漫画界の重鎮でもなければ、漫画界を背負ってもいない僕が主催する忘年会だから、当然ささやかである。
 ささやかながらも、参加者にふるまうつもりで、サムゲタンのようなものを作ってみた。そう、インターネットでレシピを捜し、それを参考に、生まれて初めて作ったものだから、あくまで“のようなもの”である。もしかしたら、似て非なるものかもしれない。

 作り方自体は、至って簡単だ。

 若鶏の腹に、餅米、ニンニク、生姜、ギンナンなどの木の実、それに朝鮮人参をぎっしり詰め込み、たっぷりのお湯でぐつぐつとろとろ煮るだけである。もちろん、トリから出るアクや余分なアブラは、せっせと掬いとったほうが良いだろう。

 もっとも、作るのは初めてだが、食べたことはある。
 数年前、ソウル市一番の繁華街ミョンドンにある店で初めて体験したのだが、その時、迂闊にもボラれてしまった。やけに愛想の良い店主が、注文もしないのに、なぜか泡の立たない気の抜けたビールを次々に運んでくる。僕らが疑念を持ち始めた時は、既に店主の罠にはまっていた。

 ……という話は、とりあえずどうでもよい。
 問題は、その時のサムゲタンと、今回僕が作った“のようなもの”が、似た味であるかどうかである。


2003年02月05日掲載


2003年02月05日掲載

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