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* 週刊フォトエッセイ*

週休六日のススメ

  文・写真/福山庸治 --->Back Number 




190 念願の高級一眼レフ

 カメラといえば、僕が自分の稼いだ金で買った最初の高額商品が一眼レフカメラである。1970年の夏頃だから、もうかれこれ30数年も前の話だ。当時、55mmの標準レンズが付いて5万円前後だったと記憶している。今も新品の一眼レフが5万円くらいで売られているから、値段的には、今も昔もちっとも変わらない。むしろ性能がアップした分だけ、安くなったと言える。

 当時の5万円といえば、大卒の初任給がやはり同じくらいの額だったと思うが、それはどちらかといえば高給の部類で、標準的には、月3万円〜4万円台くらいがいいところだったのではないかと思う。その高給新入社員の初任給と同じ額の高級カメラを、どうして銀行の口座さえ持ってなかったような貧乏学生の僕が買えたのか? もちろん、現金である。

 実は、その1970年というのは、僕がマンガ家としてデビューした年で、わずか10日間ほどで描いた28ページの作品が、大卒初任給の二ヶ月分に相当する大金に化けてしまったのだ。

 大金を手にした僕は、何の躊躇もなく新宿へ向かい、念願の一眼レフカメラを手に入れた。


2003年07月16日掲載

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