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* 週刊フォトエッセイ*

週休六日のススメ

  文・写真/福山庸治 --->Back Number 




193 軒先の住人(2)

 さて、我が家のガレージのツバメたちだが、五羽の雛が生まれ、うち四羽が巣立っていった。一羽は猫にやられてしまったようだ。車のトランクに猫の足跡が無数にあり、そこから壁際の物置に移ってジャンプしたらしい。朝起きて見ると、巣の一部が壊れていた。

 食用にするわけでもなく、おそらく“そこに雛がいる”という理由だけで条件反射的にハンティングをしてしまうに違いない猫に、僕は知性の欠如を感じてしまうのだが、猫に徳や知性を求めるのは、木に登って魚を獲るようなものではある。むしろバカだから可愛いという側面もあるし、それが彼らのDNAなのだから、ここは嘆いてもしょうがない。ただ遊び相手にされてしまった一羽の成仏を祈るのみである。

 ともあれ、残り四羽はきちんと巣立ったのだから、ウチの店子たちにしてみれば、まずまずの子育てだったのではなかろうか。その間およそ七週間、あっという間の出来事だった。ヒトならば、立って歩けるようになるまで10ヶ月以上、今の日本だと、親から離れ、自立して生活出来るようになるのに、最速でも20年以上は軽く掛かってしまう。それをツバメは、わずか七週間やそこらでやってのけてしまうのである。もっとも、ツバメは9年くらいしか生きられないらしいから、子作りから巣立ちまでに要する期間をヒトの一生に換算すれば、およそ500日くらいか。それなりに長期ともいえるが、それでもヒトだったら、まだ首も据わっていないはずだ。


2003年08月06日掲載

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