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* 週刊フォトエッセイ*

週休六日のススメ

  文・写真/福山庸治 --->Back Number 




196 アイディアの出し方(2)

 仕事からしばらく離れていたら、アイディアの出し方を忘れてしまった。
 さて、どうするか?

 もちろん、どうするもこうするもなく、ひたすら思い出す以外に方法はない。とはいえ、言うほど簡単ではない。「仕事からしばらく離れていた」という事実には、少なからず仕事からの逃避の意志も含まれている可能性が高いからだ。アイディアの出し方、すなわち仕事のとっかかり方を忘れたというよりは、積極的に仕事にとっかかりたくない自分がいるかもしれないのである。つまり、とっかかり方へ通じるドアを、敢えて見つけないように、見つけても開けにくいように、モルタルで分厚く塗り固めている可能性も考えられるのだ。

 そんなに仕事をしたくないのなら、マンガ家などやめればよい!

 その通りである。
 だが、ここが人間の矛盾するところで、仕事はしたくてしたくてたまらないのである。極端に言えば、仕事から離れている時間は、四六時中仕事のことが気になって頭から離れず、次は何を描こうかと頭を悩ましてばかりいるのもマンガ家なのだ。いや、そういうマンガ家は僕だけかもしれない。知人に同じようなメンタリティを持った男がいるが、彼は陶芸家であって、マンガ家ではない。僕が非常勤講師をしている専門学校にも、そういう学生がわんさかいそうであるが、彼らもまたマンガ家ではない。


2003年10月15日掲載

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