写真
---> 拡大表示



* 週刊フォトエッセイ*

週休六日のススメ

  文・写真/福山庸治 --->Back Number 




197 アイディアの出し方(3)

 仕事から離れると仕事のことばかり考え、いざ仕事を始めようとすると、仕事以外のことばかりを考える。そういうふうに書けば、こうした心理は程度の差こそあれ、ほとんどすべての人間に当てはまりそうである。

 アイディアの出し方を忘れる症状自体は、単に反復訓練の中断による職能的感覚の一時的な低下から来るものだと思う。人によっては、そこへ逃避欲求が追い打ちを掛けるので、よりダメージが深化するということであろう。

 結論を先に言えば、僕のようなマンガ家は、可能な限り仕事を休まないことである。いつでも何かしら仕事を抱えていたほうがよい。そう、週休六日、週勤一日でいいのだ。充電と称して下手に休んでしまうと、むしろ放電するばかりで、アイディアを出そうとする習慣からも遠ざかってしまい、そのまま自信を失って、リタイアを余儀なくされるようなことになりかねない。そうやって消えていったマンガ家も多い……かどうかは全然知らないが、僕がもし消えるとしたら、そういった理由からのような気がしている。

 この「週休六日のススメ」を一月半も休み、すっかり書き方を忘れてしまったことから、このテーマを書き始めたわけだが、たったここまで書くのに、実に何日も要している。書き始めの数日は、野球選手でいえば、おそらくストレッチや軽いランニングをやるしかないようなレベルで、今この時点で、かろうじてトスバッティングくらいまでは出来るようになったというところだろうか。もちろん、それでも試合は始まっているわけだし、スターティングメンバーに名を連ねているのだから、絶対に無様なプレーは見せられない。というわけで、情けないレベルの調整ながらも、バントヒットくらいは狙って書いているのである。


2003年10月22日掲載

<--Back     Next-->



Webmaster :
ammo@tokyo.fujifilm.co.jp
Copyright :
マカロニ・アンモナイト編集部