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* 週刊フォトエッセイ*

週休六日のススメ

  文・写真/福山庸治 --->Back Number 




201 温泉は寂しい(3)

 他人が聞けば馬鹿馬鹿しいと思うかもしれないが、僕はつれあいと一緒の時間を過ごすのが好きなのである。最近の僕は、趣味は何と訊かれても、そう答えてるくらいだ。喧嘩もするが、そうなのだから仕方がない。
 その点はつれあいも似たようなものらしく、わざわざ一緒の時間を過ごそうとスパなどに行っても、その時間の大部分を離ればなれにさせられてしまうので、「お風呂自体は気持ちいいけど、つまらない」とこぼしている。実際、それぞれの浴室にいる限り、話し相手もいないし退屈だから、本来ならゆっくりのんびり過ごすべきところを、そそくさと済まし、さっさとつれあいと合流することばかりを考えてしまっている。

 中には、水着着用の浴場もある。
 脱衣所や洗い場はもちろん裸湯だが、メインの浴室や露天風呂などは、水着さえ着ていれば、男女のカップルやグループが、誰はばかることなく一緒の時間を過ごすことが出来る。あるいは、ひとりでの入浴は難しいが、妻や娘の介添えがあれば大丈夫といったような人も、水着着用方式なら安心して一緒に温泉気分を楽しめる。

 こうした方式は、ヨーロッパでは極めて一般的だと思うが、日本人には根強く“風呂は裸”の観念があるようで、あまり普及していないようだ。水着を着たのでは、温泉に入った気がしないと感じる人が多いのだろう。僕もインターネットなどで探してみるが、少々遠出を要するところばかりで、家から10分20分といった近場にはなかなか見つからない。


2003年11月19日掲載

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