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* 週刊フォトエッセイ*

週休六日のススメ

  文・写真/福山庸治 --->Back Number 




203 ヨーロッパからの賓客(1)

 先月、ヨーロッパ有数のコミック出版社Casterman社社長のDELAS氏と編集者のPEETERS氏、それに知古である在日フランス人漫画家のボワレ氏の三人が、拙宅を訪れた。
 考えてみれば、いや、考えるまでもなく、外国人がいちどきに三人も我が家の床を踏むのは初めてである。自慢じゃないが、我が家は小さくて狭い。ダイニング・キッチンも含めて部屋が5つと数だけはまあまあだが、この国の建売住宅の常で、一つ一つの部屋が小さいのだ。しかも、普通であれば、客を通すべきであろう玄関に入ってすぐの和室が、E・ピアノやらギターやらアンプやらロードレーサー(自転車)などに占領されていて、応接間として機能できていない。なので、客はいつもオープンキッチン式のダイニングルームに通している。いつもなら、客も主人も同じウサギ小屋の住人同士、それでかまわないはずなのだが……

 しかし、今回のお客様はフランスの方々である。
 しかも、この僕ですら、かなり昔から名前を知っているような出版社の社長さんを含むのである。ボワレ氏から来訪したいとの電話をいただいたとき、僕は打ち合わせなどにしばしば利用している駅近くのホテルの10階ラウンジでどうかと提案したが、即座に一蹴された。今後また「日本のマンガ家」ということで取材することもあるかもしれないので、自宅に伺いたいという。

 そういうわけで、我が家のこぢんまりとしたダイニング・キッチンに、生まれてこの方、生ではそう何度も聴いたことのないフランス語がびゅんびゅん飛び交うことになった。


2003年12月03日掲載

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