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* 週刊フォトエッセイ*

週休六日のススメ

  文・写真/福山庸治 --->Back Number 




209 マンガ家の行動範囲(3)

 元々の出不精がマンガ家になってしまうのは、猫にマタタビといおうか、あまりにもマッチングが良すぎて、弊害と感じることもままある。先月書いたように、マンガ家として繁盛すればするほど、外に用が無くなってしまうので、行動半径が極端に狭く偏ってしまうのだ。

 外に用がなくなると、靴底は減らないし、服も下着と部屋着以外、ほとんど買う必要がなくなる。ましてオシャレしようという気にもならなくなってくる。いい服を買ったところで、出掛けて行く先などないのだから。とにかく、服という服のすべてが、下着もしくはパジャマ化してしまうのである。

 専門学校の非常勤講師を引き受けた理由の一つは、まず外に用が出来るし、若い人と接する機会も出来れば、おのずとお出掛け用の服も必要になってくるだろうと考えたからだ。さて、非常勤講師を始めてから、やがて二年近くになるが、果たして服は増えたか?

 それが、以前とちっとも変わらないのである。
 決して忘れていたわけではないが、元々僕は、バーゲンで買う半袖のTシャツにLevi'sのジーンズを自らにとっての正装とする人間だったのだ。学生時代からだから、もうかれこれ30年、どこへ出掛けるのも悲しいほどにこのスタイルである。
 春秋の肌寒い陽気の時には、このスタイルの上にスエットかジャケットを、冬の厳寒時には、一度買えば10年くらいは平気で保ってしまいそうなコート、革ジャンなどの上着を重ねるだけだから、常時Tシャツが10枚前後、ジーンズが2着、それにスニーカーと革のカジュアルが一足ずつあれば、ほぼ事足りるのである。もちろん、冠婚葬祭用には別途一式必要であるが。

 もっとも、服を滅多に買わない僕でも、帽子だけは比較的頻繁に買う。帽子をしょっちゅう被るようになったのは、せいぜい10年くらい前からだと思うが、別に毛髪が薄くなってきたからとハゲ隠しに被り始めたわけではない。散髪するのが面倒になり、ひっつめのチョンマゲにしたら、どうしても帽子を被りたくなってしまったのだ。


2004年01月21日掲載

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