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* 週刊フォトエッセイ*

週休六日のススメ

  文・写真/福山庸治 --->Back Number 




212 絵が上手いマンガ家の苦悩(2)

 つれあいは立派なバストを持つゆえに、男のみならず、同性である女性からも、必ず「立派なバストの人」として記憶される宿命を背負ってきた。本人からすれば、いつでもどこでも、まずは胸に好奇の目が集まり、刺身のつまにされてしまうのは迷惑な話であろう。特に、マリリン・モンローに代表されるように、「胸のでかい女は馬鹿」だとする俗説が昔から根強くあるから尚更である。

 さて、僕は立派なバストも、立派な胸板も持っていないが、どうやら絵が大変上手いらしい。マンガ家だから絵が上手くて当然だと思われるだろうが、マンガ家だって、絵の下手な人は五万といる。マンガの絵は、もちろん絵の一種であるが、どちらかというと、記号としての側面が強い。つまり、「悲しんでいる」とか「怒っている」といった状態を、見れば一瞬でそれとわかるように描かれた記号なのである。その記号をいかに魅力的且つ個性的に描くかというところで、色んな方法論が生み出され、様々に枝分かれし、進化していったわけだが、そのマンガ=記号という原則は、おそらくどんな時代になっても変わらないだろう。つまり、マンガの絵は下手でもハナシが面白かったりすれば、思わぬ大ヒットを生み出すことも可能なのである。

 とはいえ、僕は絵が上手いらしい。
 上手いマンガ家の中でも、更に上手いらしい。
 お世辞にせよ、そう褒められるのはうれしいものだが、その上手い絵ということが、「立派なバスト」と同じような宿命を背負うときが多々ある。


2004年02月11日掲載

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