写真
---> 拡大表示



* 週刊フォトエッセイ*

週休六日のススメ

  文・写真/福山庸治 --->Back Number 




216 財産への執着(2)

 そもそも、ヴィデオデッキをほとんど使わなくなっていた。TV番組や映画を録画することもなくなっていたし、レンタルはDVD中心、昔テープで録ったものも、録るだけ録ったら満足してしまうのか、その後一度もデッキにかけることなく、ラックの中で仮死状態のまま眠っている。中にはカビが生えて、テープが真っ白くなっているものさえある。

 どうしてヒトは−−と自分のことを一般化して書くが−−録るだけ録ったら満足して、そのままデッドストックにしてしまうのか?
 というような話は面白い。面白いがゆえに、ついついそっちの話にかまけて、録ったヴィデオを見る暇もないという悪循環が生まれているのも事実である。だが、ヴィデオテープはアナログだ。ほっとくと腐る。いや、腐りはしないが、劣化する。ものによっては、再生すると、とても見られたもんじゃない無惨な状態になっている場合がある。そうなってしまったら、お陀仏である。もちろん、救う方法はあるだろう。だが、コストが掛かる。

 たかだかヴィデオテープとはいえ、財産だ。
 いや、そんな大した物ではないのだが、一旦それを財産だというふうに考え始めると財産になるといったほうが正しいかもしれない。そもそも録るだけ録る、けど見ないという行為自体が、財産を殖やす感覚に根ざしたものだろう。だから、ある時期夢中になって、録画のための録画に走る。走って走って、ある日突然、夢から醒めるまで走り続けるのである。

 その財産のようなものが、日々刻々劣化の一途を辿っているのだ。となると、やっぱり劣化をストップさせなくてはならないと思う。これを貧乏性だと言うのだろうが、貧乏なのだから仕方がない。


2004年03月10日掲載

<--Back     Next-->



Webmaster :
ammo@tokyo.fujifilm.co.jp
Copyright :
マカロニ・アンモナイト編集部