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* 週刊フォトエッセイ*

週休六日のススメ

  文・写真/福山庸治 --->Back Number 




218 財産への執着(4)

 というわけで、それらのダメにしたくない、というよりは、せっかくだから記念にとっておきたい録画テープは、早速DVDにダビングした。まずはひと安心といったところだが、そのメディアの表面に、試しに、新しく買ったプリンタでタイトルやクレジットなどを印刷してみたら、実に美しいではないか。遅ればせながら、まるで市販品のような完成度を期待できることを知ったのである。

 僕にコレクションの趣味はないと、この連載の最初の頃、子供の頃の切手収集にまつわる話で書いた記憶があるが、コレクションの趣味はなくとも、財産への執着はたまに発生してしまうことがある。つまり現在の僕は、なんだか知らないが、前に書いたように、映画やオペラなどを録画しては、せっせとDVDにダビングしているのである。もちろん、あとでじっくり見ようと思ってそうしているわけだが、どうもいやな予感はしている。どうやら僕は、これらのDVDを、やはり財産だと思っているふしがあるのだ。リスにとっての頬袋とでもいおうか、ドングリが視界に入ったら、ひたすら拾って口に放り込む。そうしている限り、妙に安心出来るという、そんなような状態になっている。

 要するに、最初にヴィデオデッキを買った時と同じことをやっているのである。おそらく、結局は見もしない映画やオペラの舞台などを録画したDVDが、収録棚から溢れるようになる頃には、ヴィデオデッキのスイッチがほとんど押されなくなったように、HD・DVDレコーダーも、ただ大きくて平べったいデジタル時計になってしまっていることだろう。それでも、今はどうしてもドングリを見つけると、頬袋に入れてしまう誘惑から逃れられそうにない。


2004年03月24日掲載

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