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* 週刊フォトエッセイ*

週休六日のススメ

  文・写真/福山庸治 --->Back Number 




224 カンピュータ養成講座(2)

 そんなんで、よくマンガが描けるなと思われるかもしれない。
 だが、描けるのである。七転八倒するにせよ描けるのである。
 途中、作品が面白くないと感じたら、動物的カンのようなものを起動して修正しようとしている自分がいる。その過程に、あまり論理性は入ってこない。なんでそうしたのかと訊かれても、その瞬間では神懸かりみたいなもので、論理的に説明することは難しい。長嶋監督に倣えば、カンピュータ仕様ということになろうか。

 医学的根拠など何もないが、以前にも話題にした右脳左脳のように、もしかしたらマンガを描くことと、描かれたマンガを分析するのとでは、それぞれ別の脳ミソを使っているのかもしれない。たとえば僕の脳ミソは、長年の習慣で、前者の目的のためだけに特化してしまい、後者のための回路はほとんど使われず終いで閉じてしまっている、というようなことは当然あるだろう。使わない筋肉は衰えるというアレである。

 仮に前者を創作家の脳ミソで、後者を評論家としての脳ミソというふうに言うとしたら、僕の場合は、評論家としての脳ミソが著しく退化してしまっているということになる。若い頃はそうでもなかったという記憶があるので、そんなことになっているとは思いもよらなかったが、非常勤講師をやるようになり、学生の描いた作品を前に添削指導みたいなことをしようとした時、ほとんど何も言葉を思いつかず、その欠落に初めて気がつかされた。名選手(というわけではないが)、名コーチならずのたとえである。


2004年05月12日掲載

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マカロニ・アンモナイト編集部