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* 週刊フォトエッセイ*

週休六日のススメ

  文・写真/福山庸治 --->Back Number 




229 軒先の住人 リターンズ(3)

 行きつけのガソリンスタンドのガレージにも、ツバメの巣がある。巣の下には、ちゃんと糞受け用の新聞紙が敷いてあって、同じ立場の者として、思わずにやりとさせられる。
 そこは24時間営業のスタンドではないので、夜遅くにはガレージのシャッターは閉じられるはずである。つまり、ツバメは夜の間、天敵のいない無人のガレージで安心して眠ることが出来るというわけだ。うまい場所に巣を作ったもんだと感心するのだが、問題は朝である。営業が何時に始まるのか確かめたことがないが、シャッターが開くのは、早くてもせいぜい7時くらいだろう。ツバメとすれば、夜が明けたらすぐに餌を探しに飛び出したいところだろうが、そう思い通りにはいかないところが、安全の代償というところか。

 昨年、複数のツバメが盛んに軒下に飛来するようになったとき、それが巣作りのためのロケハンであることはすぐに分かったが、その時点での候補地はもちろん我が家だけではなかった。近隣の家のガレージや玄関にも、盛んにロケハン飛行がなされていたのであるが、ある日、そのうちの一軒の玄関屋根の下から、幅5cm長さ60cmほどの紙の帯が何本も簾のようにぶら下がっていることに気がついた。何のおまじないだろうと怪訝に思ったが、そういえば、一昨年この家の玄関がツバメに占領されていたことを思い出した。おそらく、糞害に懲りたに違いない。しかも、出入りの激しい玄関である。この紙の簾は、「ツバメマンション建設反対!」の文字こそ書かれていないものの、明らかにツバメ除けなのだ。
 その効果は絶大で、その家に営巣することをツバメも諦めた。


2004年06月16日掲載

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マカロニ・アンモナイト編集部