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* 週刊フォトエッセイ*

週休六日のススメ

  文・写真/福山庸治 --->Back Number 




230 軒先の住人 リターンズ(4)

 前年度の巣を諦めたツバメは、別の家のガレージ壁に藁混じりの泥を塗り始めた。
 だが、その巣もほとんど建設が進まないうちに、その家の主人によって、あっさり強制撤去させられてしまった。

 そこで、ツバメが選んだのが我が家のガレージである。
 そして、我が家の住人はマンガ家である。
 ネタになりそうなものは、何でも歓迎という職業である。
 糞がなんぼのもんじゃ、という人間なのである。

 オスカー・ワイルドの童話に「幸福の王子」がある。
 町の中央に幸福の王子の銅像がそびえ建っているが、ある日エジプトへ渡る途中のツバメに王子は頼みごとをする。町の困っている人々に、自分の金銀ルビーを与えて欲しいと。その頼みをきいたツバメは、日一日と南の国へ飛び立つ日を延ばすことになり、王子は身ぐるみ剥がされボロボロに。そして、ついにツバメは凍え死んでしまう……

 ……という、だいぶ端折った書き方をしているせいで、ただただ悲惨な話にしか思えないが、僕も幼少の頃に絵本で読んだときは、その悲劇的な結末に、人生をかなり悲観的に考えるようになってしまったことは確かである。しかし、そういうふうに捉えるのではなく、思いやりの尊さ美しさをこそ読みとるべき童話なのである、らしい。

 ともあれ、ツバメという鳥が幸福の王子の使者であるとの僕への刷り込みは、その幼少の頃に読んだ、思いっきり暗い色調の絵によってなされたのであるが、とにかくツバメさん大歓迎である。お陰で、僕にMacPeople連載中の「雑記ンとっしゅ」の1回分と、この「週休六日」のふた月分、都合8回分のネタを運んでくれたのだから。


2004年06月23日掲載

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マカロニ・アンモナイト編集部