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* 週刊フォトエッセイ*

週休六日のススメ

  文・写真/福山庸治 --->Back Number 




231 株で遊ぶ(1)

 再び株の話を書く。

 先月も一度書いたツバメの話をしたので、こいつ、とうとうネタ枯れして二巡目に入りやがったなと思われるかもしれないが、半ばその通りである。マンガ家とは「アイディアに不自由な人」であって、常にアイディアというオアシスを求めながら、干からびた砂漠を前に佇んでいる人種なのである。ただし、マンガ家の後ろには点々と緑が連なっている。場合によっては、それらが鬱蒼とした森や林を作っている。マンガ家がこれまで砂漠を耕し、植えてきた木々が大きく育ったのだ。だがマンガ家自身はいつも干からびた砂漠の中にいる。アイディアには常に不足しているのである。

 だからといって、一度使ったネタを使うのは物書きとしてみっともないのではないかという意見も聞こえそうだ。安心したまえ。何度書いても面白いネタというものはあるものだ。ツバメの話に三度目があるかどうかはいささか疑問だが、株は面白い。今後この連載が続く限り、何度でも書くことになるだろう。ヒトの集合体が生み出した欲望のシステムなので、汲めど尽きぬこの泉という面がある。ヒトの、己の、愚かさ浅ましさ、そしてナイーヴさを観察するのに実に適している。

 株の話を書いている間にも、僕はこの夏大阪へ行き吉本興業の舞台を見物することになっているし、大阪に行けば、USJにも行くことになるだろう。更にはどこか遠くへ旅行することも考えている。いずれヨーロッパのコミック・フェスティバルに招待されたりすることもあるかもしれない。常に目前のネタは枯渇しているように見えるが、何歩か先には、必ずネタの泉が控えているのである。だが、今は株のネタくらいしか思いつかない。

 というわけで、株の話である。


2004年07月07日掲載

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マカロニ・アンモナイト編集部