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* 週刊フォトエッセイ*

週休六日のススメ

  文・写真/福山庸治 --->Back Number 




237 株で遊ぶ(7)

 現に1/20にまで下がったこの株が、底値から2倍になるのに約2ヶ月強しか要しなかった。3倍4倍5倍になるのにも、それぞれ4ヶ月強、11ヶ月弱、そして丁度1年である。1年間で5倍は悪くない投資だろう。要するに、僕が絶望の挙げ句底値近くで売ってしまえば、それを買った者はわずか2ヶ月で元利合計200%の、1年持ち続けたならば500%の利益を得ることになるのだ。冗談じゃない、僕が売った株で、誰かにそんなに美味しい思いをされてたまるか。そんな理不尽なことを、僕の性格が許すはずがないではないか。

 もっとも、これはあくまで過去データを見ての結果論である。実際には、5倍になるまで持っていられる人は少ないだろう。いや、2倍でも難しい。僕など買値よりほんのヒトケタ%が騰がっただけでそわそわし始め、売り時を探すようになる。下がった株ならば、当分元に戻ることもないから、“安心して”塩漬けに出来るが、ぐんと急騰し含み益を増やした株は、下がる時も急なことが多いので、うかうか床下なんぞにしまっていられないのである。「天井三日、底100日」やら「上げ100日、下げ三日」といった格言がある通り、株が高い時はほんの束の間でしかない。そこで売り損なうと、せっかくの利益を失うばかりか、塩漬けを増やすことにもなりかねないのである。だから、結果2倍3倍になった株でも、10%や20%程度の利益で売ってしまうことになる。最初から2倍3倍になるとわかっていたら、誰も売りはしない。また、そこが株の面白いところで、最初から結果がわかっていたら、金は無限に儲かるかもしれないが、遊びとしては何の面白みもない。

 とにかく、僕は暴落する株を持ち続けるバカではあるが、暴落しきって底を這いつくばっている株を、今さら二束三文で売るほどのバカではない。ここは売るのではなく、他のバカから買わなければいけない局面なのである。そこで僕は同銘柄をとりあえず5枚買ってみた。


2004年08月18日掲載

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マカロニ・アンモナイト編集部