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* 週刊フォトエッセイ*

週休六日のススメ

  文・写真/福山庸治 --->Back Number 




238 株で遊ぶ(8)

 倒産リスクも考慮しての5枚である。
 これ以上の泣きっ面に蜂的思いは、追加数万円だけに留めたいというのが、1/20暴落悲哀者としての臆病さだ。よく言えば、打診買いというやつである。とりあえず、少し買ってみて、これ以上下げないようだったら、もっとたくさん仕込むという、いわばジャブのようなものだ。

 なにしろ、20倍していた頃は1枚買うのがやっとだったのに、今や5枚10枚買ってもまだお釣りが来てしまうのである。悲しいやら情けないやら、感情的には堪らないものがあるが、感情ならぬ勘定的には大いに歓迎すべきことでもある。株をある程度スリリングに遊ぶには、いかに保有枚数を増やすかというところがある。枚数が多ければ多いほど、少しの値動きでも大きな損益に繋がるからだ。ビンボー人に低位株が人気があるのも、手持ち資金より大きな金額を扱うことの出来る信用取引が素人の個人投資家に普及してきたのも、皆なるべく株数を多く揃えたいからである。もっとも、信用取引の場合は「空売り」という、株が下がったら下がったで利益が出せるマジックのような手が使えるということも大きいが。

 さて、買った5枚はどうなったかというと、翌々日に早くも売ってしまった。20%以上もアップしたからだ。普通、こんなにうまく行くことはない。三日でそれだけ騰がるんだったら、もっと買っておけばよかったというのは、もちろん結果論である。もしかしたら、倒産して紙くずになったかもしれないのだ。
 これをきっかけに、しばらく連戦連勝の日が続くことになるが、マイナス24万円平均×ここあそこ+売買手数料=天文学的(当社比)な含み損はそのままである。しかし、連戦連勝のお陰で株数は増えた。つまり、含み損にあまり変動はないが、投資額そのものはそれなりに膨らんだということだ。

 下がった株は、その会社が倒産でもしない限り、いつかは必ず騰がるものである。ただ、仮に5年後に騰がった場合、その間は塩漬けしておくことになるから、それだと資金効率が悪いことは確かだ。ただ、それだけのことで、所詮アマチュアのお遊びなのである。効率が悪かろうと、果報は寝て待てば良いし、死ぬまで果報が訪れなかったら、そのままあの世に道連れにすれば良いだけの話である。


2004年08月25日掲載

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マカロニ・アンモナイト編集部