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* 週刊フォトエッセイ*

週休六日のススメ

  文・写真/福山庸治 --->Back Number 




240 ネタの袋小路(2)

 かくのごとし、ツバメはたやすく大人になる。
 しかるに、人間の子供ときたら……

 ……という話に持っていくつもりはないのだが、さっきから続きを書こうとすると、どうしてもこの「しかるに人間のーー」というセンテンスに繋がってしまう。しかるに、人間の子供ときたら何だというのだ? そもそも人間の子供を、箸も使えぬツバメと較べて何の意味がある? この流れだと話がただ愚痴っぽくなるだけで、そうならないために下手な小細工などを労した挙げ句、どんどん収拾がつかなくなってしまいそうである。「しかるに」ではなく、何か別の接続詞はないかと必死で探しているのだが、どうあがいても「しかるに、人間の子供ときたら」以外の言葉を思いつかない。まるで有名な百人一首の上の句に対する下の句である。いっそ上の句の「ツバメはーー」を無くせばいいのかもしれないが、そうすると、前項の話との関連がなくなるばかりでなく、一からネタを探さなければならなくなる。

 こういう状態を僕は担当の編集者などに対して「煮詰まった」とか「いや〜袋小路に入っちゃいまして」というふうに言い訳しているが、パソコン・ゲームの二角取りで言えば、「手詰まりです」に当たる。つまり、ゲームオーバーである。
 こういうことは、マンガ家をやっていると頻繁に起こる。
 起こらない人もいるだろうが、そういう人はモーツァルト並みの天才か、ハナシの辻褄などどうでもよい無頓着な人のどちらかであろう。

 さて、マンガ家があるネタに煮詰まって袋小路に入った場合、どうするか?


2004年09月15日掲載

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マカロニ・アンモナイト編集部