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* 週刊フォトエッセイ*

週休六日のススメ

  文・写真/福山庸治 --->Back Number 




255 タダのカラクリ(1)

 さる土曜日、ソーラー温水器の設置を勧める若い営業マンが玄関チャイムを鳴らした。

 僕は訪問販売はすべて断ることにしている。新聞・牛乳・生協の宅配から、怪しげな下水掃除、宗教の勧誘まですべて門前払いにしている。必要ならば、こちらから業者を捜して電話すればいいことだ。
 ソーラー温水器のセールスも、過去何度かそれらしき業者が回って来ているので、「またか」と思い門前払いしようと思ったが、「設置料がタダなので」という言葉が耳に入った。ますます怪しい。この世の中に、タダのものがあるわけがないではないか。あっても、せいぜいティッシュとかウチワ程度の安価なものだ。なのに、30年間は使えるという温水器がタダだという。どういうカラクリなのか気になり、マンガ家特有の取材魂も手伝って、話くらいは聞いてみようと玄関に出ることにした。当然、悪徳商法かもしれないので、こちらもうっかり騙されないようにしなくてはいけない。
 玄関ドアを開けると、紺の作業服を着た、いかにも朴訥で人の良さそうな営業マンが立っている。いかんいかん、こういう顔に人は騙されてしまうのだ。その朴訥が言う。

「1,000軒あたり一軒、当ソーラー温水器のモニターになっていただけないかと」

 来たな来たな、1,000軒に1軒とかモニターにというのは、懸賞詐欺や悪徳商法の常套手段である。しかもタダだという。大いに怪しい。怪しすぎる。僕の好奇心は大きく膨らんだ。


2005年01月05日掲載

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マカロニ・アンモナイト編集部