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* 週刊フォトエッセイ*

週休六日のススメ

  文・写真/福山庸治 --->Back Number 




259 タダのカラクリ(5)

「実はタダなのは工事費でして、その分が助成金でまかなわれます。温水器そのものは買っていただかないといけません」

 なるほど、そういうことであったか。
 当然と言えば当然であるが、やはり決してタダではなかったのである。
 では、タダでなかった分は、僕らが騙されて損をするのかというと、もちろんそうではない。温水メーカーは、そう次々に売れるとは思えない高価な温水器が、ほぼメーカー希望売り価格に近い値段で一基売れるわけだし、いま目の前にセールスマンを送り出している正規代理店は、工事材料込み10数万円という高額な工事代金を、おそらくほぼ言い値で助成金、つまり税金から確実に支払ってもらえる。そして、購入者である僕らは、工事費抜きの値段で温水器が屋根に付くのである。要するに、この温水器がカタログデータ通りの性能を発揮する限りは、誰も損はしないのである。三方一両損ならぬ、三方一両得といった感じか。敢えて言えば、工事費を間接的に負担することになる納税者が損をさせられることになるのかもしれないが、一軒でも温水器が普及することにより、化石エネルギーの枯渇や地球温暖化という由々しき状況が畳の目一つ分くらいは押し留まるかもしれないということで、マクロ的には大いなる恩恵は受けるのである。

 さて、タダのからくりはよくわかった。
 あとは、この話にどこかに落とし穴はないかどうかである。


2005年02月02日掲載

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マカロニ・アンモナイト編集部