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* 週刊フォトエッセイ*

週休六日のススメ

  文・写真/福山庸治 --->Back Number 




260 タダのカラクリ(6)

 セールスマンの説明が終わると、今度は僕が思いつく限りの質問攻めをすることにした。今回財団法人というお役所が絡んでいるだけに、時には、ニュースで話題の社会保険庁や道路公団などを引き合いに出しつつ、そちらのほうの「からくり」に対する推察を皮肉に絡めることもあった。セールスマンも時折同調し、役所だから書類を揃えるのが大変だと、こぼしたりする。ただ、僕が「この工事費が高いところがミソですね」と突っ込むと、そこはさすがに「決して高くはないです」とキッパリ否定した。

 そうやって突っ込みまくったあと、つれあいにこの温水器が欲しいかどうか訊くと、あれば心おきなくシャワーが使えるかもしれないと言う。当初セールスマンが「必ず奥様にもご同席いただいて」と念を押した意味がここにあったのである。普通は台所や家計を預かるのは家庭の主婦であり、こうした温水器があれば便利だと思うのが奥さんのほうであることを計算してのことなのだ。しかし、我が家は少々事情が違う。財布は別々だが、ローンや光熱費や修理費など家の運営に関わる一切は原則的に僕が負担している。更に台所も概ね僕の担当だ。当然、つれあいがシャワーの時に使うガス代は僕が払っている。それへの気兼ねか、つれあいが「あってもいいかな。私が買ってもいいよ」と言う。

 結局、購入することにした。


2005年02月09日掲載

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マカロニ・アンモナイト編集部