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* 週刊フォトエッセイ*

週休六日のススメ

  文・写真/福山庸治 --->Back Number 




265 有名人(3)

「フクヤマヨウジ? 聞いたことないなあ、どんなマンガ描く人?」

「週刊ダイヤモンドでヒトコマ描いてるんだけど、見たことない?」

「知らないなあ」

「少年ジャンプとかビッグコミックくらいなら、たま〜に読むけど」

「じゃあ『マドモアゼル・モーツァルト』は知らない?」

「クラシック音楽は全然わかんないよ」

「いや、そうじゃなくて、モーツァルトが実は女だったってマンガがあるんだよ」

「なんか聞いたような気もするけど、たぶん知らないな」

「絶対知ってるはずだよ、モーニングに連載されてたんだから絶対にどこかで読んでるはずだよ」

「モーニングはたまに読んでるけど、記憶がないなあ。売れたの、そのマンガ? 売れてないよな、知らないから」

「舞台ミュージカルにもなったんだよ」

「舞台なんて、オレ観ないもの」

「観ろよ、たまには!」

「観ろよたって、金もヒマもないし」

「なのに、タバコ吸う金はあるのか? だったら、タバコ止めろよ。止めたらそれくらいの金が浮くだろ。舞台くらいちゃんと観ろよ」

「なんでお前にそんなこと言われなきゃなんないの? タバコ吸うのはオレの自由だろ?」

「自由だけど、臭いよ、迷惑。だから、教養がないヤツは困るんだよな」

「な、なんだって? いま教養がないとか何とか言わなかった? オレのことか?」

「そう」

「なんでお前にそんなこと言われなきゃなんないわけ?」

「福山君のマンガを読んだこともないのは、君に教養がないからだよ。そもそも君に代表されるように日本人は民度が低過ぎるんだよ!」

「お前ねえ、福山だか何だか知らないが、どうせどこの馬の骨ともしれないヘボマンガ家の描いた糞面白くもないマンガだろう、なんでそんなもんをオレがいちいち読まなきゃならないんだよ。えっ、なんでオレが民度の低い日本人の代表なんだよ!?」

「へ、ヘボマンガ家とはなんだ、僕の同級生だぞ」

「それが何だってんだ、このあほんだら!!」

「あほんだらとは何だ、この豚!」


 と、きりがないが、僕が有名なマンガ家でないばかりに、僕の同級生はおそらくこういう経験をしたのだろう。「もっと活躍して有名になって」くれないと、うっかり自慢も出来やしないぞと。

今週の福山さんが動クンです!



2005年03月16日掲載

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マカロニ・アンモナイト編集部