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* 週刊フォトエッセイ*

週休六日のススメ

  文・写真/福山庸治 --->Back Number 




268 実録? 夫婦マンガ 〜雑記ンとっしゅ〜(2)

 そういうわけで、突然旦那に逝かれて後家となった薄幸な娘「雑記ンとっしゅ」は、MacPeople旦那に拾ってもらい、なんとか無事再婚を果たすことになるわけだが(お妾さんなのかもしれないが)、そうそう、なぜこのマンガの登場人物を恥ずかしげもなく、自分たち夫婦にしたのかという話をしていたのだった。

 要するに、このマンガの連載のための打ち合わせが、丁度僕らの結婚披露パーティを行う前日だったと書いたとおり、当時の僕はそのパーティの準備に忙しく、頭の中は僕ら夫婦やその周辺に関わることで満杯であった。招待状やら挨拶状などの印刷もすべて自作である。僕ら自身がお互いを描いた似顔絵入りのそれを、金銀の細かな紙片を漉き込んだいかにも目出度そうな紙に、失敗を織り込みつつ何十枚となくプリントし、それを二つ折りにして封筒に閉じこめたりするわけだから、視野は俄然狭くなっており、唯一目にするその絵だけが脳ミソの奥深くまでインプリンティングされた状態になっている。そこへ、MACLIFEからの仕事の依頼である。何が描けるかと問われた時に、咄嗟に思いついたのが僕ら夫婦のキャラクター。というより、頭の中にはそのキャラだけが踊っており、考えようとしても、他に何も思いつかないのである。

 かくして、どさくさに紛れて、実在の夫婦が主役をやるマンガを描くことになってしまったわけだが、問題は、このマンガが終わるまでは離婚が出来にくくなったことだ。逆に言うと、離婚するようなことがあると、そのあと不在の妻キャラを面白可笑しく描けるはずもないから、即終わらせてもらうことになるだろう。しかし、離婚があまりに突然だと、スケジュールや台割りの変更がきかず、否が応でも“最終回”もしくはプレ最終回+最終回の二回分を描かねばならないかもしれない。となると、考えるだけでも憂鬱である。だから、とりあえずこの連載が終わるまでは、離婚の危機だけは避けねばならないというのが、「雑記ンとっしゅ」を描くたびに脳裏を掠めることの一つである。


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2005年04月13日掲載

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マカロニ・アンモナイト編集部