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* 週刊フォトエッセイ*

週休六日のススメ

  文・写真/福山庸治 --->Back Number 




301 オープンMINIは楽しい!(3)

 要するに、オープンにした時のMINIには稚気といえばいいのか、遊園地の乗り物に乗っているような童心をくすぐる何かがあるのだ。車に乗っているというよりは、おサルの電車かメリーゴーランド、あるいはコーヒーカップに乗るのが楽しかった頃のあの感覚に近い。1.6Lのエンジンも悪く言えば唸るばかりで、決して速くはないし、アクセルを踏み込んだときのレスポンスもあまり良いといえない。足回りは固いし、16インチのランフラットタイヤのごつごつした乗り心地はお世辞にも良いとは言えない。

 だが、一旦フルオープンにして走り始めると、そういったいわば欠点とも思われることが、すべて楽しさに変わる。GOLF Vのような車だとちんたらして眠くなるような帯域の速度が、MINIの場合、巻き込んでくる風やエンジン音やら何やらの雑多な騒音によって、それなりのスピード感が演出されるため、丁度程よい速度に変わる。
 今どきの車はどれも日本の道路事情では過剰としか思えないほどの高い性能を持っている。そうしたパワフルな車を運転するとき、いわゆる巡航速度と呼ばれているあたりの速度を、眠くもならず、退屈もせず、フラストレーションを溜めることなく運転をするのは至難である。常にアクセルを目一杯踏み込みたい誘惑と格闘しながら走っているともいえる。狭い日本、何もそう慌てて走ることはないと理屈では思っていても、実際には、なにがしかの苛立ちなしにハンドルを持つことは難しく、知らず知らずのうちに、少しでも効率よく、先へ先へ急ごうとしている自分がいる。

 ところが、MINIクラスのオープンカーだと、そのあたりの、普通だったらイライラしがちな速度こそが運転していて楽しいのである。無闇に速く走ろうという気にならないのだ。ごつごつした乗り心地の悪さにしても、おサル電車の、レールの継ぎ目をゴトンゴトンと拾って進むあの楽しさに変わるのである。



※GOLF Vの話し〜MINI購入の経緯は、バックナンバーでご覧いただけます。

「GOLFの泣きどころ−新車購入への道(1)−」※全8回


2005年12月21日掲載

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マカロニ・アンモナイト編集部