* 週刊フォトエッセイ*

週休六日のススメ

  文・写真/福山庸治 --->Back Number


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319 離れを建てる(5)

 我が家は建坪率40%容積率60%の範囲で建てられている。建坪率とは敷地面積に対する建築面積(建坪)であり、容積率とは敷地面積に対する延床面積の割合のことである。つまり我が家の場合だと、二階部分は一階のきっちり半分の面積までしか建てられないというわけである。とはいっても、二階にはバルコニーやロフトなどを作ることが多いので、実感としての床面積はもう少し広い。バルコニーには屋根がないため戸外扱いだし、ロフトには屋根があっても居住空間とは見なされないので、床面積として勘定されないからだ。もっとも、ロフトにベッドやガスコンロを持ち込んだり、バルコニーに恒久的な屋根をしつらえたりすれば、そこは立派に居住空間となり法令に違反する。
 ちなみに、我が家にはバルコニーに繋がる一間半ほどの通路があるが、その通路の丁度真上にあたる部分の屋根だけがきれいにカットされている。最初は凝ったデザインくらいに思っていたのだが、売り主の話を良く聞くと、そこに屋根が付いたままだと規定の容積率をほんの少し超えてしまうのでカットしたのだという。結果的には僕はこのケガの功名的デザインをとても気に入っているが、実際には容積率60%を守るのに、こんな手間の掛かる細工までしているのである。

 ところが、世に蔓延する規制緩和ブームの影響か、昨年だか、この地域の容積率が40+40=80%に緩められた。つまり建坪率はそのままだが、いわゆる総二階の建物が建てられるようになったのだ。たとえば我が家と同じ25坪ほどの延べ床面積を持つ建物を建てるには、最低42坪の土地面積が必要だったのが、最低31坪強あればなんとか建ってしまうことになったのである。北側の家が建ち始めた時、我が家とは違ってやけに二階が大きく、なんと軒先が接近していることかと思ったが、そういうことだったのだ。ということは、西隣のキャベツ畑も……?

 これはヤバイと思った。


2006年05月10日掲載

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マカロニ・アンモナイト編集部