* 週刊フォトエッセイ*

週休六日のススメ

  文・写真/福山庸治 --->Back Number


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327 離れを建てる 〜short break〜

 離れを建てる話が二ヶ月続いているが、先は長そうなので小休止を挟もうかと思う。


 僕がフィットネス・クラブに通っていることは前に書いたと思うが、長年続けていると、少し横着にも億劫にもなってくる。トレーニングはそこそこに、サウナや風呂へ入るためだけに通う日が増えてきた。ゆゆしき傾向であるが、東京だと銭湯に行くだけでも430円も掛かってしまうというこのご時世、何をせずとも風呂さえ入っておけば会費の元は十分とれるというものである。

 と、そういう問題でもないのだが、その風呂の湯船に浸かっていると、見るつもりがなくともよそ様のおケツが目に入ってくる。肥ったおケツに痩せて垂れ下がった皺だらけのおケツ、きゅっと締まった形の良いおケツもあれば、皮膚病のあとが生々しかったりするおケツもあり、おケツにも色々あって実に個性豊かだ。そんな中、たまにおケツの付け根あたりに、くっきりと色素が沈着して出来た楕円形にお目に掛かったりする。座りだこである。当然ながら、長い時間椅子に座って机に向かう生活をされている方であろう。視線を上に移すと、これはもう事務職以外に考えられないような顔が乗っかっている。身体中の神経を顔に集めてみました、といった顔である。

 かくいう僕も、長い時間椅子に座り続ける稼業だから、もしかしたらあんなふうな座りだこがあるのかもしれないと思って鏡に映してみたら、なんと、ちゃんとあるではないか! いや、マンガ家であれば座りだこやペンだこの一つや二つなければもぐりってなもんであるから、何も「!」マークを付けてまで強調するようなことではないのだが、こんな地球の裏側のような場所など余程のことがない限り意識して見ることはないから、よそ様のおケツを見るまで全く気が付かなかったのである。



※「離れを建てる」を第1回から読みたい方は、こちら


2006年07月05日掲載

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マカロニ・アンモナイト編集部