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* 週刊フォトエッセイ*

週休六日のススメ

  文・写真/福山庸治 --->Back Number 




328 離れを建てる(13)

 さて、再び離れの話題に戻ろう。

 当初は日本に昔からある在来工法で建てるとばっかり思っていた。ところが、いざ契約をするという時だったか、工務店主の発した「2×4なので」云々という言葉が耳に入った。

「えっ、2×4なんですか?」

 初耳だった。いや、どこかで既に聞いていたのかもしれないが、僕はてっきり在来工法で建てるものだとばかり思い込んでいたので、2×4による建築だとは思いもしなかったのだ。2×4とは、ご存じの通り「ツーバイフォー」と読む。2インチ×4インチを基本とする角材をパネル状に組んで床や壁面を作っていく、柱を使わない枠組み壁工法である。インチという寸法を使うのだから、当然日本生まれの建て方ではない。発祥は1830年代のアメリカ・シカゴだそうで、現在では北米の木造住宅は90%以上がこの2×4工法で建てられるらしい。その工務店も2×4を得意とするらしく、我が離れもその2×4で建てるというのだ。

 いや、別にどういう建て方でもかまわない。見栄えが良くて、雨・風・地震に強くて、冷暖房効率が良くて、住み心地が快適で、尚かつローコストでメンテナンスが簡単であればどういう工法で建てようといっこうにかまわないのだ。ただ、僕らは、黒光りのする板の間に囲炉裏に雪見障子に暖簾と、まるで小洒落た蕎麦屋のような徹底した和風イメージを抱いていたので、2×4と聞いたときに、一瞬違和感を持ってしまったのである。


「えっ、すると柱が無いんですか?」と僕が言うと、工務店主は、
「ええ、でも見せ柱なら作れますよ」と言った。



※「離れを建てる」を第1回から読みたい方は、こちら


2006年07月12日掲載

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マカロニ・アンモナイト編集部