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* 週刊フォトエッセイ*

週休六日のススメ

  文・写真/福山庸治 --->Back Number 




337 離れを建てる(22)

 つまり、別荘には出かけなくてはならない、ということだ。
 当たり前のことのようだが、実はそのことの負担がバカにならないのである。仮に片道3時間を要するとすれば、往復で6時間。日帰りも出来なくはないが、それでは何をしに行くのかわからない。少しゆっくりしようと思えば、最低でも一泊、更にゆっくりしたければ二泊は必要だ。

 週休二日の勤め人だと、金曜日の夜に出発し、日曜夜に帰宅するスケジュールになろうか。まずは到着したその日に、持ち込んだ荷物を整理したり、留守中の埃を軽く浚っておけば、次の土曜日は丸一日のんびり出来る。ただし、食料品などの買い出しは必要かもしれないし、外食でなければ、誰かが炊事をしなければならない。

 日曜日も午前中はゆっくり出来るが、午後からはなんとなく帰宅のための気ぜわしさが始まる。旅館やホテルと違って、別荘の場合は自分たちで掃除をしなければならないし、使った寝具類は虫干ししてからしまわないと、次に来たとき、不快な思いをすることになる。それから、冷蔵庫の中の食料品もきちんと始末して行く必要がある。最後は冷蔵庫以外の電源を落とし、戸締まりをし、ガスや水道の元栓をしっかり閉めて帰るのだが、たった二泊三日の間にやらなければならないことはけっこう多い。

 僕のような職業であれば、一旦別荘へ出向けば、行ったっきり二週間も三週間も、ことによったら死ぬまで滞在していられなくもないのだが、勤め人だとそれは不可能である。せいぜい週末ごとに通う以外ない。しかし、週末に別荘を利用するということは今書いた通りであり、意外に忙しく、半ば仕事に近いものがある。とりわけ、女性の場合は普段の生活同様に炊事を担当させられることが目に見えているから、別荘へ行くのを嫌がる人も多い。そりゃそうだ、何が悲しゅうて、リゾート先まで遊びに行って、夫や子供のために炊事洗濯掃除に買い物せにゃならんのかと思うのはもっともである。同じ行くなら、上げ膳据え膳、至れり尽くせりの温泉旅館へと主婦が思うのは道理である。



※「離れを建てる」を第1回から読みたい方は、こちら


2006年09月20日掲載

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マカロニ・アンモナイト編集部