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* 週刊フォトエッセイ*

週休六日のススメ

  文・写真/福山庸治 --->Back Number 




354 離れを建てる(31)

 最後に、庭の敷地をぐるりと取り囲む板塀である。
 この敷地は、ガレージ&玄関アプローチ部分がかろうじて道路に面しているだけで、あとの部分は今住んでいる家を含む何軒もの二階家にぎゅうぎゅうに囲まれている。それゆえに、離れの室内から眺める風景が、いかにも雑然且つごちゃごちゃとしていて、他家には失礼だが、およそ良い眺めとは言えない。そこで、少しでも統一感を出そうと、こうした板塀を張ってもらうことにしたのである。何所帯もある他家からの視線を遮るためもあるが、むしろ、こちら側がごちゃごちゃを見なくて済むようにしたかったのだ。

 塀の高さは地面より180cmほど。防腐剤のプールにつけ込み、更に防腐塗装を施した支柱は1m以上を直接地中に埋めてあり、大きな台風が来ても耐えられるはずだという。塗装の色は建物の内装と同じように黒で統一。10cm幅の杉板を1cmの隙間を空けながら1mほど張ってある。隙間が1cmというのは、案外見えそうで見えず、見えなさそうで見えてしまう微妙な隙間である。なので、密室にもならず、防犯上の問題もなさそうだ。

 塀の下のほうは、木を植えて茂みを作れば、隣家の裏の雑然としたものは隠れてしまうが、塀より上のほうの景観はどうにもならない。そこで、それを見なくて済むように、二重サッシ窓の手前に更にガラスの入った雪見障子を置くという無駄なことをしてみた。その雪見障子を通すことで、敢えて上方の視界を狭めるという計算だ。案の定、これだと囲炉裏の前に座ったときに、丁度庭だけが見える。その肝心の庭だが、家が完成したばかりで、瓦礫が埋もれたまだただの土っくれのままである。雪見障子を通して見るに耐える美しい庭を造ろうか、それとも畑にしようかずーっと迷っている。



※「離れを建てる」を第1回から読みたい方は、こちら


2007年01月31日掲載

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マカロニ・アンモナイト編集部