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* 週刊フォトエッセイ*

週休六日のススメ

  文・写真/福山庸治 --->Back Number 




355 アニメ監督デビュー(1)〜短編オムニバス映画『Genius Party』

 思いがけず、アニメ映画を作ることになった。

 映画というからにはれっきとした劇場用の映画である。ハイヴィジョンと同じ16:9の横長フレームを使う。深夜枠のTVアニメやOVA(オリジナルヴィデオ・アニメーション)ではない。ただし、僕一人の名前で丸々一本の長編映画を作るわけでもない。当然だ。そんなことをやったら、客が全然入らなくて制作会社が破産してしまう。アニメ作家を二桁揃えての短編オムニバス映画である。よく言えば、個性豊かな異能異才天才秀才たちを一つの器に贅沢に盛りつけるミックスサラダ、経済投資的な見方をすれば、ある種のリスク分散とも言えるかもしれない。喩えるとモー娘。、あるいはジャニーズ方式。つまり、数を揃えておけば誰か一人くらいは自分のタイプがいてファンになってくれるだろうというふうにも考えられる。その、もしかしたら最大のリスク要因である僕にも、あろうことかミックスサラダの具になるチャンスが巡ってきたというわけだ。

 この話のすべては、今から遡ること5年8ヶ月前、僕の主催するホームページのオフ会に、アニメーターの森本晃司さんが参加してくださったことに始まる。その時が初対面であった。その後、森本さんとはお互い酒好き話し好きということもあって、時折酒をご一緒する機会を得てきたわけだが、ある時彼がウチのスタジオへ遊びに来ませんかと言うので、それもまた楽しからずやと妻と連れ立ち、いそいそとスタジオのある吉祥寺に出かけることにした。考えてみれば、アニメの制作現場を覗いたことは生まれてこの方一度もない。いや、一度だけある。大昔だ。僕がマンガ家デビューした直後だと記憶しているので、まだ20歳の頃だ。その後ン十年間、アニメの制作現場に足を踏み入れることがなかった。これだけ長い間マンガ家を続けていながら、マンガの兄弟とも言えるアニメとは無縁のまま生きてきたのである。


2007年02月07日掲載

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