* 週刊フォトエッセイ*

週休六日のススメ

  文・写真/福山庸治 --->Back Number


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359 アニメ監督デビュー(5)〜短編オムニバス映画『Genius Party』

 ともあれ、話はあれよあれよという間に進み、社長の言を借りれば、「1分でも1枚のイラストでもいいから参加して」みることになり、早速スタジオ4℃のロゴマークが入った絵コンテ用紙をごっそり戴いた。それとこの日一緒に酒を飲む予定だった森本さんから戴いた立派な著作「0レンジ」(飛鳥新社刊)を重たそうに抱えながら、そのまま居酒屋に直行するという初期の目的を果たしたことは果たしたが、何とも狐につままれたような一日ではあった。

 帰宅後、早速仕事場の机の上に絵コンテ用紙を広げてみた。なんだか、マンガ家とは違う別のプロフェッショナルになった気分である。もっとも、気分だけであって、手は何一つ動かない。当たり前だ、何もアイディアを考えていないのだから。
 と、その時は思った。
 だが、いざアイディアが固まり、大まかではあるが、とりあえず見切り発車出来る程度のシナリオを書き上げたあと、机に向かい、さあ絵コンテをとっとと描いちまおうとシャープペンシルを握ったが、なぜかまったく手が動かない。ちっとも描けないのである。そして、来る日も来る日もそんな日が続くことになる。マンガだったら、このあたりの作業は決して簡単ではないが、比較的楽に出来る類のものである。なぜなら、アイディアもストーリーもおおよその構成も決まっているのだから。もうほとんど勝ったも同然、あとはシナリオに沿って効果的にコマを割り、シナリオ段階で既に頭の中に出来上がっている構図なり絵のイメージなりを引き出しながら下絵を描き入れていけばいいだけの話である。むしろ退屈な作業に属する。マンガもアニメの絵コンテも同じ絵だし、同じようなものだと思うが、それがなぜか描けないのである。


2007年03月07日掲載

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マカロニ・アンモナイト編集部