* 週刊フォトエッセイ*

週休六日のススメ

  文・写真/福山庸治 --->Back Number


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380 アニメ監督デビュー(26)〜短編オムニバス映画『Genius Party』

 アフレコは数日に分けて行われた。
 まず最初は家族や友人など、主に脇役の声を録音する予定になっている。この日はたまたまつれあいが非番で休日だったので、向学のためという理由で連れ出し、指定された大久保に程近い西新宿にあるスタジオに向かった。ほぼ時間通りに到着すると、この前に組まれている「Genius Party」の別の作品の録音が予定より長引いているらしい。それならばと、丁度腹も空いていたので、スタジオ近くのバーガーショップでホットドッグをテイクアウトし、スタジオの隅でとりあえず小腹を満たしたりしながら時間を過ごしているうちに、前の作品の録音がやっと終わり、いよいよ「ドアチャイム」の番になった。

 前の作品の録音を終えたままスタジオの中でスタンバイしている声優さんたちと挨拶を交わすと、早速リハーサルが始まった。モニターに映し出されたキャラクターと台本とを同時に見ながら、声優さんたちは映像に巧みに声を乗せていく。

「監督、いかがですか?」とSプロデューサーの声が背後で響く。

 監督?
 監督って誰のこと?
 あ、そうか、監督とは僕のことだったと気づいて、慌てて「いかが」だったのかを考えるような超初心者ぶりでまずは始まった。そして、初心者なりに、場の空気に慣れてくると、こんなことを指示している自分がいたりする。

「そうですね、声が良すぎてこのキャラにはちょっと立派すぎる感じなので、むしろ、息がスカスカ抜けるような、ちょっと間抜けな感じの喋りでお願い出来ますか? たとえば○○○さんのような」



 ※福山さんのアニメ監督デビュー話を最初から読みたい方は →こちら 


2007年08月15日掲載

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マカロニ・アンモナイト編集部