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* 週刊フォトエッセイ*

週休六日のススメ

  文・写真/福山庸治 --->Back Number 




384 アニメ監督デビュー(30)〜短編オムニバス映画『Genius Party』

 主人公とガールフレンドのアフレコは、同じ日の同じスタジオで行われた。といっても、ガールフレンドはラストのほうに登場するだけなので、スタジオ入りの時間は二人それぞれずらしてある。まずは時制通りに主人公の声を録音していき、ラストシーンで合流、二人一緒に同時録音という段取りだ。

 小倉さんの時と同じ東新宿のほうにあるスタジオで、最初はなかなか場所がわからず見つけるのに苦労した。倉庫のような建物の前でビヤ樽をトラックに積み込み作業中の男性に、「ここらへんに○○という名前の録音スタジオがあるらしいんですけどご存じありませんか?」と道を尋ねた。すると、彼は「さあ、聞いたことないなぁ」と言う。「番地はここらへんなんですけどねぇ」と、僕が独り言のように言いながら、いま来た道を引き返そうとすると、なんとそのビア樽倉庫のすぐ右隣のビルがそうで、よく見ると何度も目にしたはずの看板らしきものが、そのスタジオのそれだった。わ、わかりにくい! 思わず唸ってしまった。

 しかし、この日は二度目である。
 前回同様、西武新宿駅を下り、歌舞伎町を代表するコマ劇場横を通って、並び立つホストクラブの大きな看板やら何やらをデジカメに納めながら、ゴールデン街の歩道を抜け、日清食品本社ビルの建つ新宿6丁目の交差点を渡り、新宿文化センターを右に眺めながら更に数分歩いて無事到着。スタジオは地階にあり、小さなエレヴェーターで降りると、入り口ですぐに靴を脱ぎスリッパに履き替える決まりになっている。録音スタジオという僕の勝手なモダン・イメージからすると、ずいぶん庶民的である。“座敷”に上がると、すぐ右にスタジオに面した狭い廊下があり、待合い場所になっている。そこに可愛らしい顔の小柄な少年と、彼よりはだいぶ大人の女性が立っている。主人公の声の俳優さんとマネジャーさんに違いあるまい。近づいていって、まずは挨拶を交わす。



 ※福山さんのアニメ監督デビュー話を最初から読みたい方は →こちら 


2007年09月12日掲載

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マカロニ・アンモナイト編集部