* 連載フォトエッセイ*

週休六日のススメ

  文・写真/福山庸治 --->Back Number


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389 アニメ監督デビュー(35)〜短編オムニバス映画『Genius Party』

 生まれて初めて経験するアニメ映画に、“まるで映画のような”音が入り、さあこれで満を持して封切りを待つばかり! かと思いきや、実は絵が未完成なのであった。このミックスダウン時点では、動画が挟まっていなくて作画だけを繋げたシーンや、彩色していない線画だけが動くシーンなどが散在している。これを更にあくせく仕上げてのち、フィルムに焼き付ければ本当の完成というわけだが、そこらへんが実写の映画と大きく違うところだろう。

 というわけで、作品の本当の完成も先が見え、スタッフも次の仕事を並行して始めたり、他のチームにシフトするなどして、なんとなく祭の終わりを予感させるような寂しい雰囲気が漂ってきた。とりわけ、僕にはみんなと違って次の“アニメの仕事”がないわけだから、余計にその印象が強い。
 更に追い打ちを掛けるように、この時期ばたばたっと僕の二つの連載が終わりを迎えた。一つは、「雑記ンとっしゅ」という、休刊になった『MACLIFE』から『MacPeople』という雑誌に乗り移りながらも、1999年7月号からだから通算8年弱という僕にしてはかなり長い期間連載していた作品。そしてもう一つは、『小説新潮』2003年新年号から続いてきた連載「タイトルだけが同じ 世界・日本文学全集」という作品である。前者は当方のわがままで中止を申し出、後者は雑誌のリニューアルという節目にあって打ち止めとなった。更にこのあと駄目押しするように、この「週休六日のススメ」もスポンサーの都合で月二回連載と縮小されることになるわけだが、どういった理由にせよ終わりには違いなく、このアニメ制作の終わりとが重なって僕はいわば荷下ろし症候群ともいうべきメランコリーに陥ることに………なるのかと思きや、どっこい、案外何ともない。というより、年がら年中締切のメールやら電話のほうに神経を磨り減らしてきたせいか、むしろ風呂上がりのようにスッキリさっぱりした心持ちである。
 三日と空けずひっきりなしにやってくる締切、その催促メールのない生活がこんなに穏やかで幸福なものだったかと改めて知ることになった。

 アニメを始め何もかもが終焉を迎えていくような感覚の中、それでも、最後のひと花を咲かせるかのような、マンガ家としてはまず味わうことはないであろう、どちらかといえば派手目な行事予定に溢れた日が続くのだった。



 ※福山さんのアニメ監督デビュー話を最初から読みたい方は →こちら 


2007年11月07日掲載

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マカロニ・アンモナイト編集部