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* 連載フォトエッセイ*

週休六日のススメ

  文・写真/福山庸治 --->Back Number 




403 最も向かない職業(1)

 ベースウーマン養成講座の話をもっと続けたかったが、彼女にフラレてしまったため書けなくなってしまった。なので、何を書こうかとキーボードを前にしてぼんやりしていたところへ、小学校時代の幼なじみから電話が掛かってきた。彼は僕の現在をほとんど知らないらしく、「今は何をやってるの?」と訊いてくるので、「相変わらずマンガを描いているよ」と普通に答えた。

 先日、アニメ『Genius Party』*のDVDに収録予定のコメンタリー(自作を見ながら監督自らが作品その他について語るようなこと)をスタジオ4℃で録ったのだが、その中に「どうしてマンガ家になろうと思ったのか?」という質問があった。これまで何度か受けてきた質問なので、他の事柄よりはいくらかスラスラと答えることが出来たような気がしたが、DVDに収録されるかどうかはわからない。


 さて、僕はどうしてマンガ家になろうと思ったのだろう?
 その一番古い記憶は小学4、5年生くらいまで遡る。もっと確実な記憶だと、中学一年生の時で、国語の作文にハッキリと「僕はマンガ家になります」と書いた。当然マンガを描くのが好きだったし、それなりに上手かったということもあるが、なにしろ中学一年生である、世の中にどんな仕事があるのか全く知らない年頃でもあった。親や姉たちが出勤するのに家を出て行くまでは知っているが、その先はどんな仕事をしているか想像もつかない。しかし、何やら毎月給料をいただいている。その因果関係が当時の僕にはよくわからないのである。話を聞いても、あまりピンと来ない。

 だが、マンガ家の仕事は子供の僕でも実にわかりやすい。要するに、マンガを描けば、その原稿を出版社が買ってくれる。そこから先の仕組みはあまりよくわからないが、描いたマンガがお金に化けるであろうところまでは、まるで物々交換のようにシンプル且つ明快である。それだったら、僕のような子供でも働いて、大人と同じようにお金を稼げると考えたわけである。



※編集部注:
『Genius Party』は2007年に公開された短編オムニバス・アニメ映画。
(福山さん監督作品は「ドアチャイム」)
 2008年7月2日にDVDが発売される予定です。


※福山さんのアニメ監督デビュー話(全36回)を読みたい方は →こちら 


2008年06月04日掲載

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マカロニ・アンモナイト編集部