* 連載フォトエッセイ*

週休六日のススメ

  文・写真/福山庸治 --->Back Number


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※編集部よりお知らせ
福山さん初監督作品
『ドアチャイム』
が収録されている
短編オムニバスアニメ映画
「Genius Party」
DVD発売中!





408 閑中忙アリ(2)〜そうだ、アニメを作ろう!

 そう、あんまりヒマなので、マンガを描こうと思ったのである。それも、原稿料をビタ一文いただけないマンガを。何を物好きな! であるが、何だかもう売れないマンガ家を続けていくのにほとほと疲れてしまったのかもしれない。編集者に雑誌掲載に繋がる門をいちいち叩いて、通れるか通れないか程の隙間を開けて貰うのが心底面倒になったのだ。もともと僕はわがままなマンガ家である。世間には普通にあるらしい制約をほとんど受け容れないでやってきたことが祟って愛想を尽かされたのだと思うが、僕としてもわがままはわがままなりに、何だかもう他人やら組織を通すのが面倒臭くなったのだ。まあ言ってみれば逃避である。そう、僕はマンガに負けたのだ。

 マンガに負けた宣言。

 などと、宣言してどうなるものでもないが、とりあえず負けたことにして、描いて自分のホームページに掲載すれば必ず誰かの目に触れることになるマンガを描こうと思ったというわけだ。わずか10人でも100人の読者でもいい、極端に言えば、読者など一人もいなくてもいい、とにかく僕の頭の中で出口を失ったまま仮死状態になっているアイディアをこのまま土に埋もれさせてしまうのは忍びない、なんとか一旦空気に触れさせるだけのことはしたいと思ったのである。

 とはいえ、やっぱりマンガはメシのタネである。描けばやっぱりお金に換えたいと思ってしまうのが、長年マンガ家をやってきた人間の浅ましさであろうか、なんだかタダで描くのがもったいないと考えてしまうのだ。そう考えたところで、どっちみちマンガは売れないのだからとっとと描けばいいものを、どうしても優柔不断になり、梅酒や梅干しを漬けたり、庭で採れた果実からジャムを作ったりして、ヒマな生活をそれなりに楽しんでいたのだが、ある日、無性にアニメが作りたくなった。同じ作るにしても、これなら絶対お金になるはずもないし。

 アニメならば、スタジオ4℃さんに劇場用の立派なものを作る機会を与えてもらったじゃないかと言われればその通りだが、それはそれ、これはこれである。労働集約的な組織力で作るのもいいが、100%自分一人で作るショート・アニメも面白そうだと思ったのだ。つまり、アイディアはもちろん、絵もタイトルバックも音楽も効果音も、すべて独力で作るのである。


※そうしたショートアニメなどをこちらで公開予定です。
yojira works
→ http://homepage2.nifty.com/yojira/index.html


2008年08月20日掲載

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