* 連載フォトエッセイ*

週休六日のススメ

  文・写真/福山庸治 --->Back Number


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415 ミュージカル『マドモアゼル・モーツァルト』再演(3)

 僕の原作によるミュージカル「マドモアゼル・モーツァルト」のことは、先月だけのいわば号外のようなつもりで書いた。国産で、しかもオリジナルのミュージカルというだけでも珍しいのに、それが17年経った今も上演される機会を持ち続けているということを、もっと世の中の人に知って欲しいと思って号外を出したわけだが、好事魔多しというか、予想だにしない事件が起こった。よりによって、このミュージカルの曲を作った超有名なプロデューサーが詐欺容疑で逮捕されてしまったのである。そりゃもう世間は大騒ぎさ〜、ってなもんで、このミュージカル公演が影響を受けないわけがない。

 案の定、テレビ局が主催を降りた。
 ラジオ、テレビでのCMも御法度になったという。
 公演主体である音楽座は、その公演チラシに印刷された僅か一行のテレビ局名を削るために刷り直しを行う羽目になった。ただでさえ採算が取れにくいところへ降ってきた痛い出費に違いない。

 不幸中の幸いといおうか、公演が取りやめになることはなかった。
 当然である。劇団には何の落ち度もないのだから。

 そもそもミュージカルのような舞台芸術は、色んな分野のプロフェッショナルが一カ所に集まることによって成り立つエンターテインメントである。面白い原作に優れた音楽、素晴らしい振り付けに歌の上手い魅力的な役者、それによく脚の上がるダンサーやら魔法のように情感を作り上げる演出家、非日常的な劇的空間を生み出す舞台装置家に、役者をその気にさせる衣装デザイナーなど、あげればきりがないほどありとあらゆるプロフェッショナルがそれぞれの仕事をこなして初めて舞台が完成する。誰もがそれぞれに重要で、誰一人欠けても舞台は成立しない。言うまでもないことだが、作曲家だけがミュージカルを作っているわけではないのである。

 ただ、このミュージカルの作曲家は、他のどのプロフェッショナルよりも名が知れていた。



※編集部より
ミュージカル『マドモアゼル・モーツァルト』の公演日、チケット等については、音楽座ミュージカル/Rカンパニーの公式サイトでご確認ください。

音楽座ミュージカル/Rカンパニーの公式サイトは→ こちら 



2008年12月03日掲載

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マカロニ・アンモナイト編集部