* 連載フォトエッセイ*

週休六日のススメ

  文・写真/福山庸治 --->Back Number


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418 造形の授業(2)〜フィギア制作奮闘記 #1〜

 塑像といっても、美術大学でやるように、古代ギリシャ・ローマ時代の彫像の石膏レプリカをモデルに、土の粘土を使って同じ大きさのものを模作するような本格的なものではない。スーパースカルピーという、フィギアなどの制作に使われるらしい、やや高価な人工樹脂製の粘土を使う。この粘土は、オーブンで焼けば硬化するらしい。それを使って、学生それぞれが自分のマンガで描きたいキャラクターを制作するという。まさしくフィギア制作そのものといっていい。

 僕はフィギアを作ったことはおろか、このタイプの粘土に触ったことすらないが、いざ作るとなると何だか面白そうである。僕も学生と一緒に作ってみることにした。そこで時期も時期だし、まず手掛けるべきは「マドモアゼル・モーツァルト」の主人公だろうということで、ざっと簡単な図面を描いてみた。以下、初心者によるフィギア制作奮闘記である。


 スーパースカルピーという粘土をまず触ってみた感じでは、程よい堅さで扱いやすく、紙粘土のような無駄な弾力もなく、水などの溶剤も必要なく、かなり突っ込んだ細かい細工も可能そうである。しかも、高温で焼かない限りは、ずっと同じ柔らかいままの状態を保つようだ。だから、途中まで作り、次に触るのが一〜二週間後ということが容易に出来る。土の粘土だとそうはいかない。粘土が乾燥しないように水で濡らした布を巻き、更にその上からビニール袋を被せて紐で縛って空気になるべく触れないようにする必要がある。それでも、一〜二週間も放っておいたりすれば、季節によってはカラカラに乾燥したり、カビが生えたりすることがある。それを思うと、実に管理が簡単な、ずぼら向きの粘土ではある。

 ただ、スカルピーはそのいつまでも自然硬化しない特性のために、こっちを握ってあっちを作っていると、握る圧力でこっちがぐにゃりと伸びて形が崩れ、じゃあこっちを元の形に戻そうと、別のところを握って直しているとそっちの形が歪む、といったことが起こって、いつまでたっても形が決定しない難しさがある。たとえば、頭部をきれいな形にまとめたあと、目鼻口を作り込んでいると、いくら軽く持ち支えようと、その圧力だけで後頭部がどんどん伸びていき、まるで小槌かエイリアンのような形になるのである。


2009年1月21日掲載

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マカロニ・アンモナイト編集部