* 連載フォトエッセイ*

週休六日のススメ

  文・写真/福山庸治 --->Back Number


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419 造形の授業(3)〜フィギア制作奮闘記 #2〜

 こっちをいじればあっちが歪む、あっちを直せばこっちが崩れる。とりとめのない悪循環が続いて苛立たしいばかりである。だったら、台座に木の棒や針金などの芯材を固定し、造作する部分以外触らないようにすれば良いと誰もが考えるに違いない。僕も考えた。大きな塑像だったら、間違いなくそうしていただろう。だが、いま作ろうとしているのは僅か全長20cmほどのミニチュアである。台座などなくったって、そんなものちょちょいのちょいで作れるだろうと、まあ要するに高を括ったわけだ。その結果が、書いた通りの悪循環。

 そこで、オーブンで少しだけ焼き、指で掴んで歪んだり凹んだりしても反発して元の形に復元する軟質プラスチックのような状態に出来ないものかと考えた。粘土に付属の説明書だと、確か130℃で12〜14分ほど焼くと書いてある。それを、同じ130℃で3分とか5分だけ焼いたらどうなるのか。つまりウェルダンではなく、レア乃至はミディアムっぽく焼いてみるといった、果たしてそんなステーキを焼くような微妙なことが可能なものなのか?

 焼いてみた。
 結果は、焼き時間によって硬度に多少差があるものの、固まった状態か柔らかいままかのどちらかでしかなく、軟質プラスチックのような反発復元力のある状態になることはなかった。当然か?

 そこで、まずは形の定まった胴体や頭部などの部位をオーブンで硬化させ、手首や足首のような細かくて細工の難しい部位は、それにあとで付け足す形で作ることにした。そうすれば、あっちをいじれば、こっちが歪むということはなくなる。

 と思ったら、こっちをいじってると、あっちがポッキリ折れるという新たな試練が待ち受けていた。


2009年2月4日掲載

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マカロニ・アンモナイト編集部