* 連載フォトエッセイ*

週休六日のススメ

  文・写真/福山庸治 --->Back Number


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420 造形の授業(4)〜フィギア制作奮闘記 #3〜

 そう、このプラスチック系粘土は硬化すると案外もろくて、ふと気がつくと、いつの間にやら折れてしまってたりする。針金など、粘土とはおそらく膨張係数の異なる素材を芯材にしているせいもあるかもしれないが、概してもろい性質なのだろう。柔らかけりゃ柔らかいゆえの試練があり、硬けりゃ硬いゆえの試練がある。どっちへ向かっても茨の道である。まるで人生のような……

 とにかく、折れたものはしょうがないから瞬間接着剤でくっつけるしかない。が、これがまた粘土と相性が悪いのか、くっつけてもくっつけても、こっちをいじっているうちにあっちのそれが突然ポッカリ剥がれ落ちたりするのだ。あっちを立てればこっちが立たずの二律背反、ますますもって人生そのものではないか、とまぁ何かにつけ遠い目をして人生になぞらえようとするのがオヤジの悪い癖で、同じような粘土遊びをしたであろう幼少の頃にはそんなことなど思うはずもなかったのだから、思えば“遠く”へ来たものである。

 といった話はともかく、そんなこんなで後で作る予定の手首だけを残し、一応形になった胴体に今度は服を着せることにした。といっても粘土の服だから、一度着せたら二度と脱がすこが出来ない。せっかくのナイスバディも永遠に服の下に隠されてしまうことになるわけだ。だったら、最初から着服像を造ったほうが簡単だし合理的じゃないかと言われそうだが、そこはそれ、作るからにはやっぱり自然のままの状態から始めて、装飾満載の最終形まできっちり順を追って作り込んでみたいではないか。

 というわけで、まずは下着を着せた。
 しかし、これもいずれはドレスに隠れてしまうことになる。


2009年2月18日掲載

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マカロニ・アンモナイト編集部